FA設備の製作工程の一つである組立(エンジニア)を担当しています。新日本工業では、さまざまな設備を製作していますが、私は自動車部品を製造する設備の組立を担当することが多いですね。今、製作しているのはカーエアコンの熱交換器である「コア」と呼ばれる部品を作るための設備。5ヶ月近くかけて製作を行い、ようやくお客様へ納品というところです。自社で組み立てた後に、お客様先の設備と組み合わせて、稼動テストで合格が出て納品が完了になります。ですから私は、お客様先へ伺い、据え付け作業までを担当します。新日本工業は既成の設備を製作・販売しているのではなく、お客様の要望を1台ずつ設備に反映させるので、満足いただくためにも納品になるまでは気が抜けませんね。
前例がないタイプの設備を一から製作するときは苦労しますね。新日本工業で製作する設備の大半は新規の設備。以前に製作した設備の経験を活かせるケースももちろんありますが、まったく製作経験のない設備は参考にできるものがないので、ひたすら試行錯誤です。仕様どおりに稼動させるために、図面とにらめっこして、技術を応用させ、解決策を探ります。ですから、設計や電機など他部署との連携は欠かせませんね。
日々の仕事で言えば、設備が完成し、検査に合格してお客様先に納品されたときが一番うれしいですね。特に大きな設備になると、数ヶ月単位で製作に取りかかるので、山あり谷あり苦労を重ねることも多く、お客様に「ありがとう。またこれからもよろしくお願いします」と言われると、役割を果たした達成感がこみ上げてきますね。今も、半年近くかけて製作してきた設備がちょうど納品になるので、ホッとしているところです(笑)。
また、今年で入社20年を迎えたので、会社から旅行をプレゼントしてもらったんです。家族と沖縄でとても楽しい時間を過ごせ、思い出に残る旅になりました。
新日本工業には、毎年行なわれる「技能競技会」というものがあります。これは、やすりがけや機械の組み立てなど、さまざまな技能を競う大会。入社した当初、その競技会に出場させてもらいました。初めて出場したときは入賞できなかったんですが、その悔しさが次へのバネになりましたね。「いつか壇上に上がって、絶対にあのトロフィーをもらってみせる!」と心に決め、仕事の合間をぬって練習に励みました。ずっと持ち続けた向上心と練習の成果が実を結び、それから2年目に3位に入賞することができたんです。本当にうれしかったですね。私は、普通科の高校から入社したので、経験はもちろん、知識もありませんでした。けれど、競技会のおかげでさまざまな技術を身につけることができ、自信につながった若い頃の経験が今にも活きています。
この仕事をしていて感じるのは、技術の進歩の速さ。ですから、日頃の情報収集は欠かせません。そして、それを製作の現場で活かせるようリーダーシップをとっていきたいです。また、若い後輩たちがどんどん入ってきているので、後輩の教育にも力を入れていきたいですね。